お遍路

本日のお遍路ログ

八十八箇所霊場

納経したお寺:1
累計納経数 :43


別格二十霊場

納経したお寺:1
累計納経数 :7


走 行 距 離 :87㎞
累計走行距離:1016㎞


14日目 (11月9日)

連続10コのトンネルのキツさは想像以上

やっぱり雨は降っている。今日の日中はずっと雨予報。昨日まで良くもったと考えるしかない。 万全の雨対策でホテルを出発。
結構雨はきつく降っている中、まず43番明石寺を目指す。
明石寺まで56号線を約20キロぐらい。普段なら1時間程で着く距離だが、スピードを出して滑ってはいけないと、注意してゆっくり走る。
なかなか距離が進まない。 しかもゆるやかな坂道が続く。 と、反射タスキが歩行者・自転車用に用意されている。 ここから、10個連続でトンネルのようだ。
迷うことなくタスキを掛け、前方ライトと反射盤も点灯させ、トンネルに挑む。 トンネルは一つ一つが短いが、歩道はなく、ゆるやかな坂道。 車がビュンビュン通り、水しぶきが顔にかかる。
メガネが曇り、視界が悪い。
だが、トンネル内で停まる方が危ないと考え、ひたすら走る。
これはキツい!しかも悪天候。
必死に耐えながら、10コ目のトンネルへ。 1キロ超のトンネルを抜け、タスキを外し、その後無事に明石寺到着。
この時点でレインジャケットの中、靴の中はビショビショ。
体が冷える。
手袋も水浸しで指の先がかじかんでいる。

昼ご飯を食べていなかった

明石寺の参拝を終え、駐車場の売店で温かいお茶を頂き、次の別格7番出石寺の情報を聞いてみる。
「今から行くの?」とお姉さん。
歩きなら往復1日はかかる模様。現在10時半。 お姉さんに相談し、今日泊まる大洲市のホテルにカバンを預けることに。
ホテルまで約20キロ。とにかくお昼までにはホテルに着きたかった。が、雨が遮る。
結局、大洲市のホテルに着いたのが、12時半。 またすぐに濡れてしまうが、アンダーシャツを着替えて、いざ出石寺へ挑む。 ホテル受付のお姉さんにも「今から行くの?」と。暗くなる17時ぐらいまでに帰ってくることを目標に、先を急ぐ。

出石寺まで18キロの標識、、そんなにあるのか?車道はかなり遠回りみたいだ。 とにかく走った。遅くとも16時には着いて、下山しないと。あと3時間。 それほど急勾配ではないが、延々と坂道が続く。残り10キロを過ぎた当たりから、自転車を押して上る。ここからが地獄だった。 途中、少し乗れるぐらいの道になり自転車にまたがるが…
えっ!?力が入らない。
そんなに体力を消耗していたのか? 違う。必死になっていたため、昼ご飯を食べていなかった。
それが影響しているのか? 何回かまたがるが、やっぱり体が言うことをきかない。 何とか押して歩くことはできる。 時間は14時すぎ。不安になったが、焦らなくてもきっと行けるハズ。 出石寺まで残り7キロ。横にはへんろ道で3キロの標識。
だが、へんろ道もかなりグチョグチョになっている。このまま押して上がるしかない。 こっから先は気力だけで上がる。雨が降り注ぎ、真っ白な霧のなか、無心だった。
寺に近づくに連れて、2台ほど車が上がっていく。道は間違っていない。 まもなく、鐘の音が聞こえてきた。もう少し!
最後の力を振り絞り、登りきれば…

本当のしあわせ

もうフラフラだった。
それでもお経はしっかり詠んだ。納経所で一番楽な帰り道を教えてもらう。 この時、15時半。でも帰りも何があるかわからない。 ちょうどお寺の売店にうどんの文字。 もう終わってるかも?と思ったが、売店のお兄さんは「いけますよ!」と。
このうどんが、また美味かった!
冷えきった体を暖めてくれる。 さらにお兄さんが「これおまけ!」とおにぎりもくれた。しかもそのおにぎりも温めてくれている。 完食する頃には心まで温まり、お兄さんに記念撮影をお願いしてから、下山。
帰り道は下り坂だけでなく、登り坂もあったが、自転車をしっかり漕げている。 うどんを食べておいてよかった。
体はまたすぐ冷えてしまい、下山にも1時間ぐらい掛かったが、何とかホテルまで帰って来れたのは17時すぎ。
よかった・・・
今日ほど、ご飯の大切さ、食べれることの有り難さを思い知った日は初めてだ。 また、ホテルに荷物を預けておいてよかったとつくづく思う。
うどんをいただいた売店にあった言葉。
「雨や嵐があってこそ 晴れの有り難さがわかり 苦しみや悲しみを味わった人に 本当のしあわせがわかる」
まさに、今の自分であった。